【旅】ダーダネルス海峡のフェリーとイリオス【トルコ3】

3日目はイスタンブールからフェリーでダーダネルス海峡を渡り、アジア側に向かう。

港の近くのお菓子売り。
ウエハース、ロクム、ハルヴァ。
ハルヴァは小麦粉、バター、胡麻ペースト、砂糖などで作られるお菓子だ。
見た目は煉瓦か石のようで一瞬怯むのだが、口に入れるとナッツの風味と共にほろほろ、しゅわっと溶ける。
このハルヴァは中近東に様々な形で広まっているらしく、プリン状のものもあったりと奥が深い。
ロクムに関しては最終日に存分に語ろうと思う。

トルコといえばチャイである。
一杯は日本円で70円くらい、旅行中に何杯飲んだか分からない。
(このフェリー内カウンターの奥にある銀色の大きなヤカン的なものがそれ)
朝食に一杯、フェリーで一杯、ドライブインで一杯、露店で一杯という感じで、グラスあたりの量も控えめなので気軽に飲める。

トルコの「チャイ」は牛乳などで煮出したものでなく、このようにストレートティーだ。
そして角砂糖が2~3個ついてくる。
日本にいる時は砂糖は入れない派だが、トルコはあの乾いた空気のせいか甘い紅茶が非常に美味しく感じる。

トルコ料理、と一口に言っても実は地域によって様々だ。
羊肉、鶏肉が多い印象かと思われるが、海沿いだと海産物を使ったもの並ぶし、パスタも米もある。
「ピラフ」の語源になった「ピラウ」というバターと塩と香辛料で作る米の炊き込み料理があるのだが、これが様々なトルコ料理に合う。(ショートパスタや肉などが入るバージョンもある)
余りにも美味しかったので現地のガイドさんにレシピを聞いたところ、やはり「それぞれの家の配合」があるらしい。
個人的には乳製品と野菜も強くおすすめしたい。
ホテルのビュッフェなどでも沢山のチーズが並び、それが全て味が濃く美味しいのだ。

ずらりと並んでいるのはライスプディング。
焦げ目をつけるもの、つけないものがあり、つける方には卵黄が入るので食べ慣れたプリンに味が近いと思う。


 
 

イリオス

昼食の後はいよいよイリオス。
この名よりも「トロイア」「トロイ」の方が馴染み深い方も多いだろう。
そう、ここはあのトロイの木馬が「あったかも知れない」場所だ。

ハインリヒ・シュリーマンという男がいた。
彼は神話に出てくる都市イーリアスが実在のものだとして、ダーダネルス海峡近くの発掘を始めた。
確かに遺跡らしきものは現れたがシュリーマンは考古学者ではなかったため、なかなか学会からは認められなかった。
やがて発掘が進み、このあたりは複数の層からなることが判明した。
最も古い第一層は紀元前3000年前後と言われている。

だが残念なことにシュリーマンの推定にずれがあったこと、当時の発掘技術がまだ整っていたかったことから、彼が追い求めた「あったかも知れない」トロイアは彼自身の手によって大きく破壊されてしまっていたのだ。
つまり「伝説上のトロイアの可能性もなくはないが確定は難しい」という場所なのである。
更にシュリーマンは財宝を無断で持ち出したりもしており、手放しでは褒めにくい人物なのだが、それでも彼がここの採掘を始めたことがイリオス発見の大きな一歩であったことは間違いないと思う。

このように、九つの層が連なっている。

この遺跡に人々が暮らしていた頃には、すぐ近くまで海があったらしい。
イリオスは現在も発掘が進められているものの、保護を優先し、一年にごく僅かしか作業は行われない。
現代に訪れた私達は海岸線の名残と石垣を眺めながら、はるか遠い昔を想像するしかないのだ。

ちなみに、このようなトロイの木馬のレプリカもちゃんとある。

 
 

今日の猫と犬

途中のドライブインにて、カメラストラップを捕獲しようとする猫。

トロイの木馬の足下にて。

四日目エフェソス編に続く。

[ 【旅】ダーダネルス海峡のフェリーとイリオス【トルコ3】 ]TRIP, 2019/04/09 22:48