【旅】カッパドキアの気球【トルコ7】

七日目早朝は、いよいよ待ちに待った気球だ。
まだ真っ暗なうちにホテルを出てバスに乗り込む。
少し走ると既に上り始めた気球が見え、期待に胸が膨らむ。

気球ツアーの事務所に到着。

配布される注意書きを読みながら、用意されているクッキーとコーヒーで軽く休憩。
暫くすると気球ごとのバスが迎えに来て、皆でそれに乗り込みまた移動する。

少しぼけてしまったが、このようにして跨いで乗り込む形になるため、スカートは絶対におすすめしない。
そもそもトルコの観光施設はイスラム教の戒律により過剰に肌を出した服では立ち入れない場所もある。
更に冒頭でも描いたように地域によって気温差が非常に激しいため、基本的には長袖(+脱ぎ着しやすい上着)と長いズボン、歩きやすい靴、が一番だと思う。

乗って初めて知ったのだが、気球というのは全く揺れを感じないのだ。
(少なくともこのタイプは)
上昇していくという感覚もなく、景色を凝視めながら静かに風に乗って、気付いたらいつの間にか高い場所にいる───という不思議な体験である。
時々聞こえるバーナーの音と炎の匂いがまた、気球という乗り物の魅力を増している気がする。
カッパドキアは本当に広大だ。
昨日は下から見上げた奇岩群を、今日ははるか上から見下ろすという感動と興奮は想像以上だった。
まさに『鳥』になった気分を味わえるので、個人的には強くおすすめしたい。

空からカッパドキアの夜明けを堪能した後は、草原に着地する。
スタッフがすぐにこのような祝杯の準備をしてくれて、皆で葡萄ジュースで乾杯した。
事故なく無事に戻れたことはもちろん嬉しいが、空からの眺めが余りにも素晴らしかったため、「もう地上に戻ってしまったんだな」という寂しさを覚えながらジュースを飲み干したことを覚えている。

私達がそんな余韻に浸っている間に、スタッフは素早く気球を回収してゆく。

そして再びホテルに戻る。
夜、着いた時には真っ暗だったが、朝はこのようにカッパドキアが一望出来るのだ。
スタッフの皆さんも優しく、料理も美味しく、素敵な宿だった。


 
 

カイマクル地下都市

ホテルを出発し、カイマクル地下都市に向かう。
ここは昨日のギョレメと同じく、ローマ帝国の迫害を逃れたキリスト教徒達が隠れ住んだ場所だ。
紀元前から存在し、ヒッタイトにより彫られたと考えられているが、未だにはっきりとした真相は明かされていない謎の地下都市である。
また、隣り合うデリンクユの地下都市とは地下道で繋がっている。
内部にはワイナリー、教会、学校、食糧貯蔵庫など8層からなっており、約20000人余りの者が暮らしていたと言われる。

……と、このように大変興味深い場所なのだが、いかんせん照明が殆どなく、写真は殆ど失敗した。
かろうじての一枚だけを貼っておく。
中は迷路のように細い通路や階段で繋がっており、人一人通るのがやっと、というところも多い。
当然、厨房的なものもあるのだが、煙が出ていると見つかってしまうため、少しずつ外に洩らすような仕組みになっている。
「地下都市」というその名の通り、人が暮らしてゆく全てがつまっているのだが、それ故に、陽の当たらぬ場所で息を潜めるようにして生きなければならなかった迫害の恐ろしさを感じる。

カイマクル地下都市の入り口までは土産物通りとなっているが、やはり石造りの建物が多い。
この二枚は新旧を感じさせて気に入っている。


 
 
カッパドキアに別れを告げ、バスでアンカラへ向かう。
ここから寝台特急に乗り、再びイスタンブールへ戻る旅程だ。
駅での風景を何枚か貼っておく。


 
 

今日の猫と犬

ドライブインにて。

カイマクル地下都市の土産物屋にて。


 
 
いよいよ最終日、ブルーモスク・アヤソフィア・グランドバザール編に続く。

[ 【旅】カッパドキアの気球【トルコ7】 ]TRIP, 2019/04/13 22:09