【映画】新感染【感想】

今年は映画の紹介記事があまり書けなかった。
大好きな作品がAmazonの年末年始100円レンタルセールに入っていたので、この機会におすすめしてみる。

ソウル発プサン行きの高速鉄道で、突如ゾンビ・パンデミックが起きる。
高速で走り続ける車両から逃げることは叶わず、一人、また一人とゾンビになってゆく。

粗筋を説明するとこれだけなのだが、この作品は「感情」に重きを置いている。
主人公となる父はエリート金融マン。
以前に娘にあげたプレゼントの内容を覚えておらず、また同じものを贈ってしまうくらいの仕事人間。
プレゼントを贈るくらいだから愛情そのものはあるらしいのだが、本当に娘が求めているものは分からず、空回り気味。
娘も、そんな父親に対してどう振る舞っていいか分からず困惑を見せるような、ぎこちない親子関係なのだ。
少なくとも最初は。
そんな娘を、母親が待つプサンに連れてゆくため列車に乗り込むと───。

彼は、普通の物語のヒーローのように熱くも優しくもなく正義漢でもなく、他者を思いやることも頭にない。
少なくとも最初は。
だが、さっきまで会話をしていた誰かがゾンビとなってしまう、そんな極限状態の中、彼は「どうにかして娘だけは守らなければ」と死に物狂いで行動するようになる。
そして他者との関わり方もまた変わってゆく。
この作品の軸になる「父」がもう一人いて、彼女の妻は身重だ。
マ・ドンソク演じるこの男が、これまた初見では強面でくせのある感じだが、妻のことは溺愛している。
そんな彼の行動もまた見所の一つ。
初々しい恋人同士を待つものも、切ない。

ゾンビ映画ではあるものの、グロテスクなシーンはかなり控えめだと思う。(個人の感想です)
内臓が飛び散ったりしないし、残虐に食いちぎったりというような描写もない。
密室での感情ドラマが鮮やかに、テンポよく描かれる。
そして列車が停まった時、聞こえるのは───複線の回収の仕方、オチのつけ方が素晴らしく好み。
私はこれを観てから、自分でもいつかゾンビものを書きたいと思うようになった。
それくらい、ゾンビものとして個人的に大好きな一本なのだ。
監督はアニメなどがお好きだそうで、確かにこの作品も何処かアニメっぽい気がする。

年末年始にどうぞ。

[ 【映画】新感染【感想】 ]感想2019/12/29 16:53