そして最終日。
晩翠亭いこい荘は、仙台市内のホテルを探していた時に辿り着いた。
移動の時間を考えると秋保温泉までは難しいため、ビジネスホテルをあたっていたところ、おすすめに出てきたのだ。
一泊朝食つきで5000円前後から、しかもその朝食の評価がかなり高い。
これは食べてみたい! と迷わず予約した。
こちらがその朝食。
席に着くと、まず丁寧にお茶が運ばれてくる。
やがて後ろの厨房から、美味しそうな匂いが漂い始める。
暫し待っていると丁寧に盛りつけられたおかずが続々と運ばれてきて、箸をつけて驚いた。
揚げ出し豆腐も、茄子の田楽も、みんな作りたての熱々なのだ。
朝食の評価の高さは納得。
食後にはコーヒーのサービスもあり、それも好みの味でよかった。
旅館の方も親切だった。
現在は夕食は対応していないらしく、代わりにお手製らしきご近所の美味しいものマップ。
そしてチェックアウト後、これから仙台駅に戻るのだという話をしたところ、地下鉄の最寄り駅である北四番丁まで出るより、旅館のすぐ裏の通りに東北大学病院前のバス停があるからそれを使った方が早い、とのこと。
旅行だとそういう部分まではなかなか調べきれないので、非常に助かった。
仙台駅近くで和室に泊まりたい、美味しい朝食が食べたい、という方にはおすすめ。
杜の都を窓から眺めながら、バスで仙台駅に到着。
仙台は以前に友人と一度観光に来ている。
今回は、その時とはまた違った美味しいものを色々食べられたので、個人的には大満足。
そんな仙台の最後はずんだあんみつ。
ずんだと黒豆の組み合わせに、白蜜。
仙台から常磐線に乗り込み、帰路に就く。
基本的には行きと同じルートだが、代行バスとの接続の兼ね合いで、浪江駅でまとまった時間がとれたので付近を歩いてみた。
解体用のバリケードが錆びつき、緑に埋もれてしまっている。
この浪江駅の周辺は、長く帰還困難区域だった。
やっと避難解除が解かれ、少しずつ人が戻り始めている。
実は乗り換え待ちの間に新しくできたお店に行くつもりだったが、定休日が変更になったらしく叶わなかった。
あの日の揺れを、まだ覚えている。
部屋に戻ると様々なものが倒れ、食器などが散乱し、後片付けが終わるまで家の中を土足で歩いた。
実家は家屋こそ無事だったものの塀が半壊し、母の実家は大きな亀裂が入り、建て直しを余儀なくされた。
「爪痕」という表現がよく使われるけれど、その傷は容易に癒えない。
日本のあちこちにまだ多くの災害の爪痕が残っていて、これを書いている時にも台風15号による新しいものが刻まれてしまった。
それでもそのままにはしておけないから、色々な思いを抱えて新しいものを積み上げてゆく。
復興には、長い長い時間がかかる。
ニュースなどで報じることが少なくなっても、沢山の人が何処かで新しいものを積み上げている。
そのことを忘れないようにしたい。
きらら女川のおからかりんとう
女川編で、葱味噌味のおからかりんとうを一袋買ったことを書いた。
それがとてもとても美味しかったのだ。
一袋しか買わなかったことを後悔するくらいに。
そして今、私の目の前には通販で届いた三袋がある。
「かりんとう」とあるも、食感はクッキーの方が近い。
私がはまった葱味噌味は甘さと塩気のバランスが丁度よくて後を引く。
食べたくなってきたあなたはこちらへどうぞ。
【きらら女川オンラインストア】