沖縄から戻ったばかりの私だったが、実はもう一箇所かねてより行きたい島があった。
伊豆大島である。
この伊豆大島では毎年一月下旬~三月中旬まで伊豆大島椿まつりが開催されており、一度はこの季節に足を運びたいと夢見ていた。
皆さんは覚えているだろうか。
今年の一月、新しいカメラを手に入れた私が浮かれた記事を書いていたことを。
そう、その新しいカメラのデビューはここだと決めており、再び船に乗り込んだのだった。
新橋駅のカタトソデ
出発前にまずは腹ごしらえ。
この時期フェリーターミナルが改装工事中とのこと、食事が出来るのか分からなかったので新橋駅地下街にあるカタトソデで食べていくことにした。
ここはカウンターが多い造りで、一人でも気軽に飲める。
名物もつ鍋はカウンターでも注文可能。
味噌仕立てのもつ鍋は酒の肴に最高だが、カタトソデではそこに〆のうどんを投入出来るのが素晴らしい。
乗船の前は酔い防止のため重い食べ物を胃に入れたくないので、これくらいの食事が丁度いいのだ。
そして今宵もまた、竹芝へ。
今夜のさるびあ丸。
東海汽船の乗船~船内の様子はこちらの記事を参考に。
早朝、伊豆大島の岡田港に到着。
船から下りると、向こうに月が小さく見えていた。
そして少しずつ空の色が変わってゆく中、バスに乗り込み大島温泉ホテルへ向かうと───
夜が明ける頃には、雄大な三原山を拝みながら熱い温泉に浸かることが出来るのだ。
この眺めを見よ。
八丈島のみはらしの湯にも感動したが、この三原山も圧巻の景色だ。
稜線の上を流れる真っ白な雲をのんびり眺めながらの、贅沢な朝風呂を楽しめる。
大島観光ホテルはハイキング立ち寄り入浴を受け付けているためか、無料のコインロッカーもあるので便利。
こんな場合でも、先日ご紹介したCABIN ZEROはぐいぐいと詰めこめる。
温泉のあとは朝食。
利用客が多い時はビュッフェスタイルらしいが、この日はお膳での提供。
ここでも鼈甲漬けの切り身が出てきた。
湯豆腐の鍋などもついて、ボリュームたっぷりのメニュー。
夜に東京から船に乗り、早朝の島へ到着。
そこから真っ直ぐ温泉までバスで行けて、絶景のお湯に浸かったあとにメイクもしっかり出来て、更に美味しい食事。
この東海汽船のパックツアーを企画した方には感謝状を送りたい。
コーヒー、紅茶、ジュースや牛乳などは自由に飲めるようになっていて、テイクアウト用の紙コップも用意されている。
この後はバスで移動することになるので、ロビーのソファでコーヒーを飲みながらゆったり待つことが出来た。
この大島温泉ホテルの庭からは、三原山へ続く道がある。
次には絶対にこの裏砂漠を歩こうと心に決めている。
ホテルの前からバスに乗り込み、乗り換えの都合で再び岡田港へ。
2019年にオープンしたばかりの真新しい待合所には、レストランや土産物ショップなどが入っている。
そこから向かったのが、椿まつり会場の一つである都立大島公園。
大島珈琲の車が出ていたので、カフェ・オ・レを購入。
園内には沢山の椿がありそれぞれ見頃が違うため、まつりの期間中ずっと楽しめる。
海が見える場所で、先刻買った大島珈琲のカフェ・オ・レを飲みながら一休み。
落ちた椿も官能的で美しい。
椿資料館では、まだ咲いていない品種がこのように可憐に飾られていて、思わず手に取りたくなってしまう。
まるで作り物のように見えるが、全て本物の花。
椿の品種には詳しくなくて、こんな形もあるのかと並ぶもの全てに感嘆しきり。
チューリップ・バブルや江戸の朝顔など、交配によって生み出される珍しい花に巨額の金が動くのも頷ける。
「繻子重」「大虹」「朱月」名前も雅やかで素敵だ。
満開の大島桜。
澄み切った青空に純白の花びらが映える。
大島桜は日本の固有種で、有名なソメイヨシノの母種である他、様々な桜の親といわれている。
名前の由来となった地でこの桜を眺めるなんて、素晴らしく風流ではないか。
ちなみにこの大島桜は葉に毛がなく香りもよいため、桜餅のあの葉っぱに使われていたりするのだ。
大島公園を後にし、今度は元町港を見学に。
移動のしやすさでいえばやはり車か自転車があった方がいいと思うけれど、今回はバス移動がメイン。
丁度お昼時だったので、元町港すぐ側のかあちゃんにて磯ラーメンをいただくことにした。
お店の前にいた猫。
必死に声をかけてみたものの、終ぞ振り向いてはいただけなかった。
三原山の噴火を表す、元町港前の御神火モニュメント。
この元町港のすぐ近くに御神火温泉があり、東京発の夜行客船が早朝到着する日には早朝からの入浴も可能。
八丈島でもそうだったが、その日の海の状況次第で発着の港が変わる。
バスの行き先も「その日の港」なので、プランを練る場合は元町港ベースと岡田港ベース、両方検討しておくと着いた時に慌てずに済む。
向こうに見えているのは富士山。
ここから眺められることを知らなくて、自然が生み出す構図に感動してしまった。
新しいカメラが映す色は期待通り私好みで、もっと勉強してもっと上達しようと海と富士に誓ったのだった。
東京へ戻るため、岡田港へ。
待合所すぐ側の一峰は食事処と土産物ショップ、更に菓子工房も併設。
大島牛乳を使ったプリンを狙っていたが、私の目の前で完売になってしまった。
でもこのソフトクリームも非常に美味しかったので、岡田港発着の場合は一峰に立ち寄って絶対に食べて欲しい!
本気でおすすめ。
そして、大島といえばやはり椿油!
オイルだけでなくハンドクリームや石鹸、パックと様々なご当地コスメがあって目移りしてしまう。
真っ赤な小瓶が可愛くてパケ買い。
帰りはこのジェット船で再び竹芝へ。
大体三時間ほどで到着。
今回、私が申し込んだのは東海汽船の椿まつりプラン。
往復の乗船券と大島での一日バス周遊券、更に大島温泉ホテルでの入浴と食事つきで6300円。(東海汽船公式サイトのインターネット割引料金で)
個人で全て手配すると15000円前後の内容なので、かなりお得だ。
フリープランの場合は添乗員同行もなく、竹芝の窓口で乗船券・バス周遊券・入浴券一式手渡され、あとは完全に自由行動。
公式ブログを見ていると繁忙期以外はほぼ同じ内容で同等のパッケージプランが出ているようで、気軽な島旅にどうぞ、とすすめるつもりだった……のだが。
現在は新型コロナウィルスにより、状況が一変してしまった。
そんな中で、さるびあ丸は引退を迎える。
拙いながらも、この記事でさるびあ丸へのお礼に代えたい。
本日は、2代目さるびあ丸の最終出港でした!
ありがとうさるびあ丸✨#伊豆大島 #大島 #東海汽船 #さるびあ丸 #ありがとう pic.twitter.com/64HfzRX5qc— 【公式】大島町役場 観光課 (@oshima_kankou) June 7, 2020
新さるびあ丸にも早く乗れますように、と祈りつつ。
新さるびあ丸が大島岡田港に初入港しました👏✨
鮮やかな青いバルバスバウが透き通った海水越しに見えます⚓︎#新さるびあ丸 #大島 pic.twitter.com/YW6xjt7v45— 東海汽船【公式】御船印第二九番社 (@tokaikisen) June 7, 2020