三月の初め、谷中に泊まって上野の博物館巡りをしてきた。
これは以前から考えていたもので、展示より先に「谷中の旅館 澤の屋に宿泊する」というのが第一目標だった。
初っ端から切ない内容で申し訳ないのだけれど、私は昨年の水月ホテル鴎外荘の閉館を今でも寂しく思っている。
もちろんコロナには絶対に罹りたくないから、本当に無理のない範囲で、思いつく限りの念入りな感染対策をして、という前提で。
私は基本的に一人旅派なので、個人の客単価などたかが知れている。
それでもネットの海にこうして記事を漂わせておけば、いつか誰かの目にとまることもあるだろう。
珍しくシリアスな書き出しとなってしまった。
ここから先は美味しいものと素敵なお宿の記事なので、楽しんでもらえたら嬉しい。
湯島 福益菜館の滷肉飯と牡蠣の揚げUFO
2021年11月オープンしたばかりの店。
80C（ハオチー）さんのツイートで知って、絶対に食べたい！ と博物館巡り前の腹ごしらえに向かった。
11時開店でオープンとほぼ同時に入店したので客は私だけ。
まずは名物の滷肉飯。
レンゲで切れるくらい柔らかく煮込まれた豚角煮と高菜の相性は抜群で、ご飯がもりもり進む。
滷肉飯は私の好物の一つで、見かけるとつい食べてしまう。
これだけでも十分お腹いっぱいなのだけれど、どうしても食べたかったのがこの牡蠣の揚げUFO。
野菜、岩海苔、豚肉、そして牡蠣の入った揚げお好み焼き。
油の音が聞こえるくらい揚げたて熱々だったのもあり、食べる前に少し箸で崩してみた。
これを、はふはふと頬張るのだ。
牡蠣の粉ものなんて不味いわけがないのだ。
岩海苔がまたいい仕事をしており、あっさり、でも旨味たっぷり。
みんな行って！ そして食べて！ と言いたいところだが一つ注意がある。
お店の場所が夜のエリア界隈なのでランチタイム推奨。
福益菜館の場所は上野公園の下町風俗資料館の近くなので、国立博物館まで池を眺めながら散歩。
この季節ならではの河津桜の濃いピンクが大好き。
まずは表慶館のユネスコ無形文化遺産 特別展から。
展示のざっくりとした感想はこちらにまとめてあるので興味のある方はどうぞ。
谷中 旅館 澤の屋
陽も暮れ始めた頃、今夜の宿である澤の屋へ。
上野公園からは徒歩10分くらい。
受付の奥は食堂になっていて、電子レンジや冷蔵庫、フリードリンクのコーヒー・紅茶・緑茶とちょっとしたおやつが置かれている。
こちらは一人用の部屋で素泊まり5940円。
浴衣、バスタオル、歯ブラシ有り。
澤の屋では宿泊の他、ワンコイン日帰り入浴やデイユース（9:00～19:00で一名3300円～）も行っている。
Wi-Fi、貸し切りの風呂（要予約）とフリードリンクもついてこのお値段なら、たまには場所を変えて仕事したいという方にもかなり使い勝手がいいと思う。
迎えてくださった宿の方も皆さん穏やかで、もうそれだけでまた来たくなってしまうのだけれど、特筆すべきはやはり貸し切りのお風呂。
檜製と陶器の浴槽があり、1回45分で追加料金なく利用可能。
私は夜に檜の方、翌朝に陶器の方へ。
露天ではないものの庭の緑を眺めながらのんびり浸かることができ、一日博物館内を歩き回った疲れが癒やされた。
根津 ブラッスリーリーヌ
そして今夜の夕食は根津のブラッスリーリーヌからテイクアウト。
お願いしておいたのはシャルキュトリBOXとラザニア、更には取りに行った時にケースに並んでいた柑橘のゼリーに心奪われ、こちらもお持ち帰り。
そして根津駅前の赤札堂（スーパー）で酒を仕入れ、宿呑みという作戦だ。
もうこの写真だけで泡一本空けられる。
ラザニアはかなりのボリュームだったので、半分は翌朝に。
外呑みがなかなか難しい昨今、こういった「テイクアウトの酒のつまみセット」をよく頼むようになった。
家にいる時はささやかにご近所のお店を応援出来るし、旅先でなら感染の心配がなく美味しいものを食べられる。
このシャルキュトリBOXは一人前800円で肉も野菜も入って丁度よく、宿からも程よく近いのでおすすめ。
お酒を呑まない方であれば澤の屋は基本が素泊まりでチェックイン時にお食事処マップをいただけるので、それを参考にしてもいい。
周辺には美味しいお店が沢山あるので、コロナの状況によってはお店で食べるのが何よりの応援だと思う。
二日目に続く。
