Princess Arthur for Nintendo Switch、本日発売。

2013年にPSPで発売されたPAが、Switchで本日また世に送り出されます。
お手に取って下さった皆様、有難うございます。

改めてご説明しますと、私が初めて書いた乙女ゲームのシナリオはPC版の『ガーネット・クレイドル』になります。
そのPC版をオトメイト様でPSPに移植していただいたご縁で『Princess Arthur』のご依頼となりました。
なので、オトメイト様で初めて書いた乙女ゲームシナリオがPAということなのです。

アーサー王が下敷きの企画と伺った時に正直「なかなか難しいところを!」と思いました。
というのは、原典は様々な時代に編まれたものであり、騎士と姫君とのラブロマンス物語も沢山あるからです。
しかしランスロット達には王を好きになってもらわねばなりません。
そんな不安もあったのですが、いざエピソードを作り始めると原典を乙女ゲームのエピソードに変換していく作業は実に面白く「なるほど元ネタがあるということはこういう楽しさもあるのだな」と私にとっても大きな勉強になりました。

そしてもう一つ。
このPAから私はフリーランスとなりました。
今までとは全く違った環境でシナリオを書くことになり、沢山の方に助けていただきました。
当時から私をご存知の方には退屈な話かも知れませんが、東日本大震災の後「私はもうゲームを作ることはないのだろうか」と考えたこともありました。
でも、こうして今も物語を書き続けています。
PAはその新しいスタートの作品なのです。
テキストは約10年前のものですが、そんな当時の私なりに情熱をこめて書きました。
いい機会なので恥を忍んで告白しますけれども「上手い文章を書こう」というあの頃の自分を感じます、青臭い。
でもそういう青さもまた、今の私に繋がっています。
久し振りの方も、新しく手に取って下さった方も、楽しんでいただけるよう祈っております。

PAは思い出アルバムが殆どなく、申し訳ありません。
(そもそも2013年の頃は今のように写真をばしばし撮る習慣もなかったんですよね)
たった一枚だけ残っていたPSP限定版のパケを貼っておきます。

今回の特装版や特典SSで、あの物語の続きを書くことが出来て本当に嬉しかったです。

心優しい姫王と騎士達の物語をこぞって謡い、語り継ぐといい。人々が、魔物達が、この世界が彼女の名を忘れぬように。
[ Princess Arthur for Nintendo S... ]diary2023/05/25 00:06