先日、楽しみにしていた三菱一号館美術館のビアズリー展に足を運びました。
とても見応えのある素敵な展示でしたので、ご紹介したいと思います。
ビアズリーといえばやはりサロメのイラストを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
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そしてサロメといえばニルアドクロユリです。
でもビアズリーはアーサー王の書籍のイラストなども手がけているんですよ。
元から好きなところへ、一方的に縁を感じています。
かなりこじつけで恐縮です。
アーサー王のイラストは撮影不可でしたが、サロメのコーナーは一部屋まるっと撮影可だったため、何枚か貼ります。
一見すると美しい孔雀の羽、しかしよく見ると性器。
彼のイラストは緻密で洗練された黒と白の世界にひっそりと(?)そういったモチーフが描かれており、そのセンスと精神が好きです。
この裾と髪飾りの緻密さ、素晴らしいですよね。
しかし彼は幼い時から肺結核を患っており、25歳で夭逝してしまいます。
後期の点描を使ったレース表現も非常に美しいんですよ……。
サロメとヨカナーン。
「お前の口に口付けするよ、ヨカナーン」は余りにも有名な台詞です。
そのサロメも義父である父にいかがわしい目で見られていたり、ヨカナーンの首を得た後はサロメ本人も殺されてしまったりと全く救いのない話ですが、日本で初めて訳したのは森鴎外、戯曲としては大正12年に帝国劇場にて島村抱月演出・松井須磨子主演で上演されました。
三島由紀夫演出のサロメも見てみたかった。
個人的に、大正時代にこのサロメという内容が日本で上演されたのはすごいことだと思っていて、どの女優さんのサロメも美しく妖艶なので興味のある方は調べてみて下さい。