【旅】MOA美術館と旧糸川赤線、福島屋旅館【熱海】

新しいサイトでの旅記事初回は熱海です。
訪れたのは一年以上前なのですが、記事にまとめるのが遅くなってしまいました。
最初に強くおすすめしますが、洋館好きな方は是非、是非、熱海へ!
 
 

一日目。
熱海駅で降り、まずはバスで揺られること10分弱。
熱海にある私立美術館『MOA美術館』に到着します。

美術館のエントランスを抜けると現れる、この巨大エスカレーターにまず面食らうはずです。

これを昇った先のホールもなかなかの光景ですので、是非ご自身の目で確かめていただきたく。
リニューアル後ということもあり、全体的に色々見る側に配慮された美術館ではあるのですが、中でも一番驚いたのは「ガラス」です。

美術館、博物館などに行くと当然、大事な品々はガラスのケースに守られていますよね。
ここのガラスは恐ろしいくらい低反射でして、この写真をご覧下さい。
国宝・野々村仁清作「色絵藤花文茶壺」です。

これ、ガラス越しの撮影なんですよ。
手で触れられそうな気がしませんか。
後ろの黒漆喰と相俟って、映り込みが全くありません。
実際にも「ガラスがある感覚が無い」状態で、「あ、あれ? もしかして本当はガラスはまってない…?」などと血迷い、おそるおそる指を伸ばしてしまったくらいです。
撮影可能な展示を撮ろうとして、自分が映り込んでしまう経験をした方は多いはず。
でもそれがない。
当然ながら、茶壺の質感、藤の花の色艶などまさに手に取るように伝わります。
葉脈を一枚一枚描き上げてゆくというその手のかけ方。
こんなふうに見られるなんて最高です。
私は特に目が肥えているわけではなく、花や鳥の描かれたものが好き、くらいなのですが、やはり眺めていると美しい壺だなと思います。

色々な方の記事でこの低反射ガラスのことを読み、その興味もあってMOAに行ったのですが……想像を越えた質感でした。
黒漆喰と低反射ガラスのこだわりはこの記事を読むとよく分かります。

ミュージアム・レポートMOA美術館

もちろん他にも低反射ガラスを取り入れている美術館はあるはずですが、趣味に偏りがあるので都内でも行ったことのないところも多く、すぐには挙がりません。
不勉強で恐縮です。
サントリー美術館は見やすい気がするのと、展示もいつも好みなので好きです。

このMOAには有名な尾形光琳の紅白梅図屏風もあり、梅の時期だけ公開しています。
そんな風流な梅も是非一度見たいと思っているのですが、花粉に阻まれ未だ叶っていません。
いつか、いつか。

収蔵されている美術品も凄いですが、こんな方向でも凄い。
家康の黄金の茶室が再現されたものです。
きらっきらでした…きらっきら…目映い…。


 
 
贅沢なのは展示だけではありません。
山の上の美術館なので、晴れた日にはこうして海を一望出来るんです。
これだけでも来た甲斐があると思えるような、素晴らしい眺めだと思いませんか。

レストランも豪華。
オー・ミラドーが入っています。
箱根のオーベルジュの方には行ったことがないのですが、美味しそうだったので誘惑に抗えず入ってしまいました。
全てが濃厚に華麗に手が込んでいて、特にデザートが素晴らしかった。
写真は撮らなかったので公式サイトを貼っておきますね。

【カフェレストラン オー・ミラドー】

MOAにはこの他にも幾つか食事処がありますので、仮えば東京から観光にきて、最初にランチを兼ねて美術館というコースもおすすめです。
 
 
 
山から下りたあとは、旧赤線エリアに向かいます。
熱海銀座を抜け、糸川の方に向かうと歴史を感じる建物が現れます。

カフェー建築の意匠がはっきり残っていますね。
全てご紹介しきれないのですが、このあたりはこういった建物・装飾が数多く残っています。
ただ大正~昭和初期の物件はどんどん喪われてゆきますから、資料としても趣味としても可能な限り手元に残しておきたいと思い、最近はあちこち出向いています。
自分で足を運びその場の空気を思い描いていると、触発されて話のネタが浮かんでくる、という理由も大きいです。


 
 

お楽しみはまだまだあります。
熱海はレトロで素敵な喫茶店が点在しておりまして、これは『パインツリー』さんのフルーツポンチ。

喫茶店はここしか行けなかったので、次回リベンジすると決めています。
 
 
そして今回の宿『福島屋旅館』さんは、そんな『パインツリー』さんの近く。
外観は改装してありますが、建物の奥の方はレトロ感たっぷり。

こちらのお湯は濾過循環のない、完全な源泉掛け流し!
足を入れた瞬間「熱っ!」と叫びそうになりますが、それもまた源泉の楽しみ。
昭和初期に貼られたというタイルも可愛いんですよ。
疲れがとれる素晴らしいお湯です。

福島屋さんの花壇にはアロエが元気に繁っており、玄関にはお土産(?)として子株が沢山置かれています。(無料)
私も記念に一株いただいてきまして、仕事机の側で元気に育っております。

二日目、来宮神社と起雲閣編に続く。

[ 【旅】MOA美術館と旧糸川赤線、福島屋旅館【熱海】 ]TRIP, , , , 2018/12/01 15:16