東京は文京区に「五大花まつり」というものがある。
小石川の「桜まつり」、根津神社の「つつじまつり」、白山神社の「あじさいまつり」、そして湯島天神の菊まつりと梅まつり。
つつじまつりは何度も行っているし、さくらまつりと梅まつりも見たし、次はあじさいまつりなどと考えていたらコロナ禍となってしまった。
今回はそんな念願のあじさいまつりと旧古河庭園、そして築地の大宗旅館をお届けする。
文京あじさいまつり
数年越しで見ることが叶った白山神社の紫陽花は、本当に見事だった。
紫陽花は雨に濡れる姿が美しい花だとは思うけれど、梅雨の晴れ間に濃い陰を落とす姿も艶やかでいい。
駐車場、手水舎のあたりも美しいのだが、裏手が公園になっていてそこに数え切れないほどの紫陽花が咲き誇っていた。
青、青紫、赤紫、ピンク、白、花の形も様々で見応えがある。
更には道を挟んだところにある白山神社古墳も、花で埋め尽くされている。
(この記事を書いているのは2022年だが訪れたのは2021年で、その年はコロナ禍で立ち入り禁止であった)
今年は別の場所に旅に出ていたため再訪は叶わず。
来年また見に行きたい。
旧古河庭園
コロナ禍で、様々な施設も臨時休業となった。
ここ旧古河庭園も例外ではなく暫くお休みとなり、この時期にやっと、やっと再開した。
それが嬉しくて、薔薇の盛りが過ぎているのは承知の上で足を運んだ。
二番花も終わりかけではあったもののの、それ故に人もおらず、独り占めできてしまうのはシーズン外の魅力だろう。
この古河邸は撮影不可ながら内部見学が可能。
公式サイトにはギャラリーもあるけれど、洋館がお好きな方は是非、是非一度は中へ。
庭に面したテラスは喫茶室になっているので、ここで一休み。
薔薇の季節は座ることが難しいくらいに混み合っている場所。
今回はアイスティーを飲みながらのんびりと深い緑を眺めた。
花の開き具合はその年で異なるけれど、花期があえば白山神社の紫陽花と旧古河庭園の薔薇を梯子するのも素敵だと思う。
このサンルームが好きで好きで大好きで。
名残りの薔薇を何枚か。
何度も来ているのに、薔薇の模様であったことに気付かなかった。
花びら入りローズドロップを自分用土産に。
ステンドグラス調の缶がレトロで可愛い。
https://twitter.com/kyufurukawa/status/1315121877875007490?s=20&t=r2zeHcJaXwNXhpRyISm0IQ
古河庭園の薔薇の季節に登場するジェラート屋さん。
メニューはローズペタル、ローズソルト、ローズヒップヨーグルトなど、この時期ならでは。
私はローズヒップヨーグルトにしてみた。
ここに来て、このジェラートを食べるということまでが私の中の「古河庭園」なので、これからもずっと薔薇の季節に登場して欲しい。
築地・大宗旅館
陽も暮れてきたので、本日の宿である築地・大宗旅館へ。
「時の流れから取り残されたような」という表現があるけれど、こちらに足を運ぶと驚くと思う。
真新しいマンションやホテルに混ざって、この立派な旅館が建っているのだ。
この日の宿泊客は私一人。
都内に、築地に、こんな宿が残っているなんて。
素泊まりでしか受け付けていないため、この日の夕食はアイランドプレートランチのガーリックシュリンプ。
大宗旅館の横に建ったアパホテル一階に入っている店である。
なんというかこう、古い宿に泊まってその横の新しいホテルでテイクアウトする自分に若干もやっとしたりもした、正直。
しかしこの時期(コロナ禍)で素泊まりの場合、夕食は基本テイクアウトと決めており、一番近いし、ガーリックシュリンプは好きだし、と自分を納得させた。
とはいえガーリックシュリンプに何の罪もなく美味しかったので、大宗旅館に泊まる際の候補にどうぞ。
個人的に大宗旅館で最も気に入ったのは、お風呂。
この造り、お気づきだろうか。
浴槽まわりこそ現代仕様になっているけれど、湯を沸かすために薪を燃やしていた頃の間取りがそのまま残っているのだ。
その薪にも築地らしいエピソードがある。
当時は今のような発泡スチロールではなく木の箱に魚を入れていたため、古くなったそれらを割って薪の代わりにしていたそうだ。
この立派な天井を眺めながら湯船に浸かり、そんな時代に思いを馳せた。
大宗旅館の女将さんはとても話好きな方で、お風呂以外のことも色々と伺うことが出来た。
行くと分かるけれどこんな立派な建物を隅々までぴかぴかに磨いて、お客様を待っている。
長く残って欲しい宿────ではあるけれど老朽化のことは色々と悩んでおられるようなので、叶うなら早いうちに泊まりに行った方がいいとは思う。
予約は電話のみで、素泊まり6000円。
明日の朝食を楽しみにしながら就寝。
二日目に続く。