【旅】国立歴史民俗博物館の朝顔とPUKUのサラダランチ【佐倉】

春に続き、再び国立歴史民俗博物館に行ってきた。
朝顔と、鯰絵のイマジーネーションを見るためだ。
歴博の開館時間は通常9:30だが、朝顔展が開催されている「くらしの植物苑」は期間限定で8:30開苑。
というわけで早起きして佐倉へ。
今回は駅前からバスに乗る。

京成佐倉駅南口のこの①番乗り場から出るバスは全て博物館方面に向かう。
ただし博物館の前のバス停「国立歴史民俗博物館」まで行くのは田町車庫のみで、他は「国立博物館入口」となる。
何が違うかというと、博物館入り口バス停から博物館の建物までは坂道になっているのだ。
5分程度の坂なので、タイミングの合うバスに乗ってしまって問題ないと思う。

歴博の建物の横を通る形で佐倉城址公園内「くらしの植物苑」へ。

博物館の半券の提示で当日に限り植物苑に入場可、逆に植物苑の半券の提示で当日に限り博物館の入館料が100円割引になる。
変化朝顔に前々から興味があり機会を探していたところ、この歴博では毎年このような展示を開催していると知り、これは絶対に行かなければ、と。
元から植物は好きで作中にもよく使うけれど、品種改良という意味で強く興味を持ったのは大島の椿が切っ掛けだった。

もちろん、自分で交配させようなどとは微塵も考えていない。
ただ人の手によって創造された美とでもいうのか、園芸家・研究家の執念を眺めたいのだ。

この水盤は会期中に咲いた花を浮かべていて、日によって少しずつ違う。
撮っていたら常連さんと思しきマダムが「これが昨年の水盤なの」と見せて下さった。
丁度ピンク~赤系の花が多かったらしく、グラデーションになっていてそちらも素敵だった。

江戸時代には、はまると家が傾くと言われる「三大道楽」があった。
そのうちの一つが園芸で、有名なのは椿に菊、そして躑躅、朝顔、蘭。
こんな美しい花なら、江戸っ子達がこぞって買い求めるのも分かる気がする。
朝顔は基本的に一年草だから、種子を保存しそれを育て、劣性遺伝、優生遺伝と花を見守り、次に咲く花を予想してまた種を、という繰り返しには物凄い愛情と労力と執念を感じる。
変化朝顔には「正木(まさき)」と「出物(でもの)」があり、比較的変化が単純で種子がとれるものを「正木」という。
「出物」は変化が複雑で種子はとれないが、珍しい変化が劣性遺伝で一定の確率で受け継がれるため、同じ親株からとった種を蒔けばいつかは同じ変化が出る、という恐ろしく気の長い話なのだ。

苑内にはひょうたんの鉢もあった。
実っているものを見るのはを久しぶり。

朝顔を堪能した後は、歴博へ。

「黄雀文庫所蔵 鯰絵のイマジネーション」は撮影禁止だったので写真はないが、とても面白い展示だった。

江戸時代の安政の大地震の後に、鯰絵の瓦版などが数多く売り出された。
その絵に書き込まれた「鯰の言い分(台詞)」がとても楽しいのだ。
(※地震を起こした理由として)
「江戸ではドジョウ料理が人気らしいので悔しくなった」
「儂の仲間が江戸に向かったものの邪険にされたのでむかついた」
いや、そんな理由で大地震を起こされても。
かと思えば、人間のふりをしてこっそり吉原遊郭に遊びにきた鯰が身バレして捕まって袋叩きにあったり、鯰が地震の責任をとって切腹する図、などもある。
現代の私が見ればくすっと笑ってしまうものばかりだけれど、安政の大地震後にこれだけのユーモアを持って風刺画を描いた江戸の絵師は凄いセンスだなと思う。
 
 
朝が早かったので、軽い休憩に歴博内のレストランさくらへ。

こちら開店は10:00となっているが、食事メニューは11:00からなので昼食を取るつもりの方はご注意を。

私は餡蜜とアイスコーヒーのセットを頼んでみた。

食べていたら「黒蜜が足りなかったら遠慮なく仰って下さいね」と声をかけて下さったりと、雰囲気のいいレストランだった。
基本的に歴博近くに食事処は少ないので(坂を下り、また上がってくることを厭わなければ選択肢はある)長時間滞在するつもりならここで食べることになると思う。
お弁当などを持ち込んで隣接した広場で食べることも可能だけれど、コロナの状況により閉鎖されていることもあるので行く前に公式サイトの情報チェックを忘れずに。
佐倉には美味しいお店が沢山あるので、前回の私のように少し早めの昼を食べて入るのもおすすめ。
こちらの古代米カツカレーを一度は頼んでみたいと考えつつも、カフェ ブォナ ジョルナータのプリンも絶対に食べたいし、他にも狙っているお店が沢山あるので悩ましい。

その他、館内にはこういった休憩場所も多いので自分のペースで回ろう。
繰り返すが本当に広大で、密度が濃いのだ。

甘味を入れて、また常設展示を一回り。
今回は、前の記事でご紹介しきれなかった第四室をご紹介する。
 
 

第四室 民俗

ここには日本全国の妖怪や祭祀、そして「生から死」の関わるものが集められている。
この写真は一見すると何の繋がりか分からないと思う。

実は「産まれてから死ぬまでに関わるアイテム」がずらずらっと続いているのだ。
スタートは背負い観音厨子(ずし)。

住職がこれを携えて集落を巡り、女人講では子や安産を願う女性が率先して背負ったという。
この次には出産用の小屋の模型や揺り籠、七五三、成人式、結婚、とおめでたい感じのものが並んでいるのだが、人生の最期には当然ながら死が待ち受ける。
死亡診断書にドナーカード、ご遺体用のメイク道具。

更には葬列の車まで展示されている。

手前の樽のようなものは屈葬(寝かせるものではなく、手足を折り曲げて埋葬する時代・地方で使われた)用の棺。
この他、地方ごとの弔いの祭壇なども複数あり、私が育った場所とは全く違う風習を知ることが出来て非常に興味深い。

しかし、そういったものも時代と共に廃れてゆくのだろう。
ちなみに私は田舎育ちなので幼少の頃に「自宅で葬儀をし、お弔いの行列で寺まで歩く」を経験しているのだが、今はもうどの家もセレモニーホールになってしまった。
これを読んでいる皆さんが住む地域は、まだそういった葬儀の風習が残っているだろうか。

ここは博物館ですからね。

第四室で一際目を引くのが福島の「お人形様」。
写真だとスケール感が伝わりにくいが、めちゃくちゃ大きいのだ。

伝承ではその昔、悪疫が流行った時にその疫病神を追い払うために祀ったのが始まりだという。

小学校高学年くらいの女の子が通りかかり、この印を見て「りょーいきてんかいだ!!」とはしゃいでいた。
呪は面白いよね、そのまま立派なオタクになるんだぞ。

私が覚えたのは何だったかなとふと記憶を探り始めてしまったのだが、恐らくこれ。

確か小学校の同級生のお兄ちゃんに借りたものだったはず。
阿修羅が可愛かったですね。

このような感じでとにかく歴博は見所が多いので、何度来ても飽きない。
あっという間に数時間経つ。

ミュージアムショップには博物館アイテムだけでなく、千葉の名産品も並んでいる。
マスコットキャラであるハニワスキーの印入りどら焼きが可愛くて、行く度につい買ってしまうのあった。

春は桜の屏風だったが、夏は緑の屏風に変わっていた。

秋と冬はどんな屏風になるのだろう。
 
 
バスで再び京成佐倉駅に戻り、今度は北口へ。

ここのミレニアムセンター佐倉に入っているPUKUで遅めの昼食。

イートインスペースの他、近隣の野菜や調味料、ドリンクなども取り扱っている。

こちらはボリュームたっぷりのサラダがメイン。
私が頼んだのはジャパニーズサラダで、中身はレタス、小松菜、スイスチャード、キャベツ、人参、ゴーダーチーズ、胡桃、房州ひじき、とろイワシ。
バランスがとれていてドレッシングも美味しい。
そこに日替わりのスープ、パンをつければ充分メインになる。
更にLINEの友達登録でトッピング無料。
サラダはこれでハーフサイズ。

更にお姉さんが「サービスです」とアイスクリームを出してくれた。

未だにこれが何のサービスであったのか分からないのだが、美味しかったのでよし。
現在はコロナ禍で夜の部はお休み中。
ヘルシーな肴で飲むのも楽しそうなので、次の歴博の帰りにまた寄ってみたい。

そもそも何故にこのPUKUを見つけたかというと、朝顔のために佐倉へ前入りも検討していた私はゲストハウスおもてなしラボに辿り着いたのである。
そしておもてなしラボのオーナー氏がPUKUのオーナーでもあるのだ。

一泊無料に強く心惹かれたものの、いつ記事をアップ出来るか分からなかったので今回は見送った。
古民家を改造した素敵な造りだし、可愛いネコチャンもいるらしいので遠方でMIXドミがOKな方はこちらも是非ご検討を。

前回の記事で旅する佐倉1日きっぷをご紹介したが、2021年10月1日乗車分からJRの特急も35%割引になる模様。
今のところ期限は未定のようだし、少しずつ感染状況も改善されてゆくはずなので、是非一度は歴博へどうぞ。

[ 【旅】国立歴史民俗博物館の朝顔とPUKUのサラダランチ【佐倉... ]TRIP, , 2021/09/05 10:53