旧ブログに一度書いて、そのあとにこのブログに引っ越して改訂版の記事を書いて、情報が少し古くなったので一度下げたのですが、最近ニルアドを手に取って下さった方からまたご質問があったので保存版をまとめることにしました。
作品の舞台は「大正25年の帝都」となっており、明治~昭和初期くらいまでの楽しそうなものを全部詰めこんだ世界観となっています。
建物やネタも色々な物件を参考にしているので「そのままここ」は殆どないのですが、ロケハンの記憶と個人的なお気に入りを掲載していきますので、興味のある方は足を運んでみて下さい。
※現在、新型コロナウィルスにより開館状況などが変則的になっているため、足を運ぶ際は公式サイト等で必ず最新の状況を確認して下さい。
国立国会図書館 国際子ども図書館(台東区上野公園)
一押しはやはりここ、国際子ども図書館。
レンガ棟は明治39年に帝国図書館として建設されたもので、その後に増築、保存のための改修工事を経て児童書の専門図書館として開館しました。
館内は基本的に撮影禁止なのですが、帝国図書館時代の空気がそこかしこに残っています。
エントランスを抜けると迎えてくれる大階段の手摺りや重厚な欅の扉、展示室の天井の繊細な鏝絵や寄せ木細工の床、本のエレベーターなどなど。
建物の中の詳細はこちらをご覧下さい。
ここの静謐な空気がとにかく大好きで、上野公園の美術館や博物館の帰りに今でも立ち寄っています。
ゲームではもう少し千駄木寄りの立地のイメージで書いていました。
この国際子ども図書館のすぐ側には、京成電鉄博物館動物園駅があります。
1933年開業、2004年に廃止。
常時公開はされていませんが、展示などの舞台として第二の人生を歩んでいますので興味のある方は立ち寄ってみて下さい。
根津神社(文京区根津)
ゲームの舞台は夏でしたが、根津神社の一番美しい季節はやはり躑躅の咲き誇る春。
ただ、真夏の蝉時雨もちょっとした異世界。
繁った濃い緑の中に本当に降り注ぐように響くあの音を、味わって欲しいなと思います。
そんな根津神社には『花御札(はなみふだ)』というものがあります。
毎月違う花が描かれたお札で、家の中の邪気を祓ってくれるそう。
(玄関に、南向きに飾るのが一番おすすめとのこと)
一度いただけば毎年使えます。
・1月 松
・2月 梅
・3月 桃
・4月 躑躅
・5月 菖蒲
・6月 竹
・7月 梶
・8月 撫子
・9月 菊
・10月 楓
・11月 南天
・12月 椿
・薬玉(端午の節句から重陽の節句まで)
神社を出た後は、是非すぐ側の『芋甚』へ。
創業は大正元年で、アイスクリームも昭和初期のレシピのまま。
さっぱりしていて軽い、でも美味しい。
アイス最中はその場で挟んでくれて、食べ歩きも出来ます。
最中を食べながら不忍池まで歩くのがおすすめ散歩コース。
上野公園の緑と、池を渡る涼やかな風を感じることが出来ます。
真夏の朝であればもちろん蓮も。
旧岩崎邸(台東区池之端)
其の弐にまとめましたので、よろしければこちらもご覧下さい。
鳩山会館(文京区音羽)
鳩山一族の華麗なる館・鳩山会館。
こちらも外観の写真のみで失礼します。
鳩山会館の個人的見所は、何と言っても小川三知の鳥のステンドグラス!!
サンルームも素敵です。
薔薇の季節がおすすめ。
旧前田侯爵邸(目黒区駒場)
旧前田侯爵邸は、当時使用人を100人以上も抱えていたという東洋一の大邸宅。
階段や当時のままのシャンデリアなど全てが華麗で、時間を忘れて見入ってしまいます。
旧古河邸(北区西ヶ原)
作品と直接の関係はないのですが、私は旧古河邸の薔薇と建物が好き過ぎるので紹介しておきます。
春薔薇、秋薔薇のシーズンのライトアップが素晴らしく、陽が翳り始めた頃に入園すると移り変わる空の色と共に楽しめます。
本日のバラ園です。今朝も91種類の開花。ですがバラにはちょっと暑い気温が続いていますね。傷まないか心配です。#旧古河庭園 #バラ #ツイッターで楽しむ庭園 #休園中 pic.twitter.com/LQrXFR0StW
— 旧古河庭園 (@kyufurukawa) May 14, 2020
旧古河邸はこちらの記事でもご紹介しています。
東洋文庫ミュージアム(文京区本駒込)
東洋文庫ミュージアムは本棚を愛する方へおすすめ。
小さいながらも開催される展示がいつも面白くて、好きな博物館の一つ。
東洋文庫ミュージアムのすぐ側には六義園があります。
六義園は枝垂れ桜が有名ですが、夏の緑も爽やかでよき。
旧古河邸と六義園の共通券『園むすびチケット』、東洋文庫ミュージアムと六義園のコンビチケットもあるので、この辺り一帯を散歩がてら巡るのも楽しいです。
インターメディアテク(千代田区丸の内)
モデルとはまた違うのですが【インターメディアテク】もおすすめ。
東大の標本や学術資料を展示している博物館なのですが、とても楽しい空間です。
ここが面白いのは、展示するための棚なども昔の東大の備品が用いられているところ。
「昭和8年 理学部」などという備品タグがあちこちに見えて漲ります。
博物館というより「多趣味な収集癖のある人の家に遊びに来たらこんな感じかな」というのが率直な印象。
完全に個人の想像ですが「猿子さんの部屋ってこうかも」と思ったりしています。
何でも結びつけるのは良くないと分かってはいるものの、膨大な鳥の標本や鉱石、怪しいお面や革のケースに入った外科手術道具や注射器、蓄音機なども展示してあり、つい彼等の顔が浮かびます。
インターメディアテクが入っているKITTEは最寄り駅が東京になりますが、「有楽町で降りて国際フォーラムの少し先」と言った方が分かりやすい気がします、このブログを読んで下さっている方は。
写真撮影は禁止なのですが、入場料も無料なので是非足を運んでみて下さい。
Cafe1894(千代田区丸の内)
そんなインターメディアテクのすぐ側にある三菱一号館美術館併設のCafe1894。明治時代には銀行営業室として利用されていたこの場所を、当時撮影されたと思われる写真や図面から可能な限り忠実に再現したお店です。
アフタヌーンティーも華麗で美味しく、美術展とのコラボメニューも毎回素敵。
美術館とは入り口が別なので、カフェのみの利用も可。
江戸東京博物館と江戸東京たてもの園
ロケハン及び資料収集に欠かせなかったのは江戸東京博物館と江戸東京たてもの園。
こちらの記事で紹介していますので、レトロ大好きな方は是非。
おすすめの場所は以上です。
今回は行きやすい場所を中心にご紹介しましたが、他にも期間限定公開の素敵な建物が沢山あります。
東京文化財ウィークなどで調べてみて下さいね。
後書き
『ニル・アドミラリの天秤 帝都幻惑綺譚』の発売は2016年ですが、スマホ版、そしてクロユリとセットのswitch版が発売され、今も尚プレイして下さる方がいるのは嬉しい限りです。
しかし大きな広報もしていない現在、どのような経緯で手に取るに至ったのか個人的にとても興味があるので、良かったら拍手でそっと教えていただけると嬉しいです。
ゲームとしての展開は一区切りしていますが、クロユリの後の彼等を描いた小説なども発売されていますので、よろしければ読んでみて下さい。
詳細はこちらの記事にまとめてあります。